ピアノは習った方がいいと思いますよ?
高名なプログラマであるやねうらお氏が大人のためのピアノ入門というエントリを書いていたので、その感想を書きます。かく言う私は、ピアノを愛する一プログラマです。
また、大人は仕事の都合、レッスンを決まった時間に習うのは難しい。また練習時間も週によってはきっちり確保できない。そこで、独学である程度のところまで習得しなければならないと仮定しよう。
http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20070926#p1
これらの仮定のもとに、どうやれば最大限の効率を叩き出せるのかを考えてみた。
仮定を覆すようであれですが、ピアノは習うのが一番です。時間とか条件に合った先生を見つけるのは大変なので、mixi とかのピアノコミュニティでいろいろな人と相談してみるのもいいです。
ピアノの演奏をうまくなるためには、メカニックとテクニックを鍛えます。身も蓋もない言い方をしてしまえば、メカニックは指のエンジン性能であり、テクニックはハンドルさばきのうまさです。(テクニックには、コース取りのうまさも含まれてる気がします。)一般的にはメカニックはハノン、テクニックはバイエルとかの練習曲で身につけます。(ハノンは筋トレや走り込みのような練習をするための教則本です。)ただし、練習曲はメカニックの練習にもなります。それゆえか、練習曲は狙っている効果が複雑すぎて、練習していて何が向上するのかよくわからないことがあります。逆にハノンは効果が分かりやすく、趣味のピアノ弾きにはこれを好む人も多いです。(夏に向けて腹筋を割りたいから腹筋するみたいな明快さがあるんです。)
メカニックの向上は簡単ではありませんが、挫折しにくいものです。(ある程度ハノンとかやっていると快感になりますから。これホント。気持ちいいんです。)問題はテクニックです。効果だけを言えば、やはり練習曲をやるのが一番でしょうが、弾いていてつまらない曲も多いので、正直耐えられません。(言い換えると、モチベーションを無視すれば、練習曲がうまくなるためには一番の近道です。)この曲を頑張って弾けるようになりたい、と思わせる練習曲に出会うのはなかなか難しいのです。上手くなるための回り道・・・なんて考えられる人は神です。ネ申です。そんなネ申であっても、ピアノの先生がいるといいでしょう。今練習している練習曲が将来どのような曲を弾くのに役にたつのかとくと教えてくれます。
音楽的に素晴らしい練習曲もありますが、趣味のピアノ弾きは音楽的に素晴らしいかどうかだけではなく、好きな曲、慣れ親しんだ曲、流行りの曲などを弾きたがるものです。練習曲とついているもので、大人から始める趣味のピアノ弾きが知っている曲なんて、ショパンエチュードの革命とか別れの曲くらいなものでしょう。この辺の曲が弾けるようになってたら、すでに「趣味の範囲でうまくなる」という目標をほぼ達成していると思います。
(ショパンエチュードを練習曲というと、いろいろ文句が来そうですけど。^^;)
じゃあ、どうするんだという話です。あえて言えば、練習曲でうまくなるのではなく、弾きたい曲を弾いてうまくなるのが一番です。でも、それだとテクニックもメカニックも偏ってしまう可能性が高くなります。効率的にうまくなるという目標を達成できません。そういう時こそ、ピアノの先生の出番です。効率的にうまくなるには、弾きたい無数の曲の中から今何をやったらいいのか考えて選択しなくてはなりません。よく話し合って曲を選択するといいでしょう。
もう一つ大切なことは、弾きたい曲の選択肢を広げておくことです。つまり曲を多く知ることです。知っている曲が多ければ多いほど、うまくなれる可能性が高くなります。ピアノの先生に自分の好みを伝えて、好みに近そうな曲を教えてもらえばいいでしょう。CD を貸してくれるかもしれません。たくさん曲を知って、弾きたい曲を増やして、今の力量の斜め上くらいの曲にチャレンジし続けることができれば、ピアノは必ずうまくなれると思います。
ピアノの先生には、ピアノの技術以外に「ロジカルに考えることができて」「高いコミュニケーションを持つ」ことを要求することになります。趣味でうまくなるには、ピアノの先生のサポートは欠かせないというわけです。
一概にピアノが弾けると言っても、レパートリーが数曲しかないのでは恥ずかしい。どうせなら、譜面を見てすぐに弾けるようになりたい。よって、初見弾きの能力を極限まで高めることを一つの目標とする。
http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20070926#p1
この目的を掲げて、楽典を紹介しているのは素晴らしいですね。
最後に、社会人にとっていい先生の条件を挙げてみます。リストを網羅するつもりはないので、だれか補足してください。
- ピアノが二台以上あって、合わせて弾いてくれる
- レッスンの内容についてロジカルな説明ができる
- どうやればうまくなるのかをその人に合わせて一緒に考えてくれる
- 趣味のピアノをよく知っている
- 音楽の知識が広い(できるだけ広いジャンルを知っている人がいいですね。大人は気分によってクラシックになったりジャズになったりポップスになったりしますから)
- 時間/場所などが条件に合う
- レッスン時間は回数よりも長さが重要だと思います