水滸伝十一巻(北方謙三)
十巻の感想はこちらです。新刊が出ていたので買って読み終わりました。
- 作者: 北方謙三
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/08/21
- メディア: 文庫
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十一巻は、呼延灼との戦いで大敗北と勝利を味わった梁山泊が、次の一歩を踏み出すところから始まります。大敗北が梁山泊にもたらしたもの。特に恐怖、悲しみに関する描写は印象的でした。それでも、梁山泊が越えなくてはならない一つの敗北にすぎません。そして、戦線は急速に拡大していきます。何かに取り付かれたように急ぐ晁蓋。あくまでも慎重策を唱える宋江。親友でありながら、梁山泊の戦い方では相容れない頂点の二人。反目しながらも、認め合う二人。お互いが歩み寄るその機会を得ないまま、悲劇は訪れます。
このころから、徐々に梁山泊と宋の戦いはやや悲劇的、あるいは滑稽なものを含んで行きます。宋と梁山泊の戦いは「絶対に勝てない戦」。これからどのように展開していくのでしょうか。