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ピアノをこよなく愛するエセRubyistが適当に書き綴ります

水滸伝十一巻(北方謙三)

十巻の感想はこちらです。新刊が出ていたので買って読み終わりました。

水滸伝 11 天地の章 (集英社文庫 き 3-54)

水滸伝 11 天地の章 (集英社文庫 き 3-54)

十一巻は、呼延灼との戦いで大敗北と勝利を味わった梁山泊が、次の一歩を踏み出すところから始まります。大敗北が梁山泊にもたらしたもの。特に恐怖、悲しみに関する描写は印象的でした。それでも、梁山泊が越えなくてはならない一つの敗北にすぎません。そして、戦線は急速に拡大していきます。何かに取り付かれたように急ぐ晁蓋。あくまでも慎重策を唱える宋江。親友でありながら、梁山泊の戦い方では相容れない頂点の二人。反目しながらも、認め合う二人。お互いが歩み寄るその機会を得ないまま、悲劇は訪れます。

このころから、徐々に梁山泊と宋の戦いはやや悲劇的、あるいは滑稽なものを含んで行きます。宋と梁山泊の戦いは「絶対に勝てない戦」。これからどのように展開していくのでしょうか。