コンテンツ・フューチャー
いま少し話題になっているコンテンツ・フューチャーを読みました。
CONTENT'S FUTURE ポストYouTube時代のクリエイティビティ (NT2X)
- 作者: 小寺信良,津田大介
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2007/08/02
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本は、コンテンツに関わるさまざまな人に対するインタビューをまとめたものです。本書の魅力は、通信の進歩などのメディアの変化、今なぜテレビ番組がつまらなくなってしまうか、ユーザーのコンテンツの楽しみ方がどのように変化しているかなど、さまざまな視点から現場の人が話しているということにつきると思います。
対象としている領域が違いますが、ウェブ進化論などと比較すると地に足の着いた議論がされていて、コンテンツ提供者(作成者、配信者)が持っているインターネットやテレビなどに対する感覚が、消費者のそれと大きく異なっているわけではないことが実感できます。ただ、インターネットの台頭(YouTube とか)してきたときに、どうやってお金を稼いだら良いのかという点がまだあいまいなこともあり、話の内容がビジネスモデルに寄り過ぎている感じは受けました。テレビ業界などは広告を中心とした強力なビジネスモデルを構築して、割と安定した空気の中でコンテンツ作りをしてきたことから、それが通じなくなる世界でどうやって生き延びていったら良いのか模索しているという状態なのでしょう。
それでも、インタビューワ/インタビューイは非常にポジティブな空気を感じる人が多く、徐々にこうしたコンテンツに関わる世界がよくなっていくだろうという「未来」は感じさせてくれました。あとは、ビジネスモデルの構築も良いけどコンテンツはこうおもしろくなっていくという実例をコンテンツで見せてくれれば最高なんですけど。