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古代ローマをテーマにした漫画でも十分面白い「ヘウレーカ」

今、ヒストリエで好評を博している岩明均氏の「ヘウレーカ」という漫画を読みました。ヒストリエ同様歴史漫画なのですが、古代ローマ帝国をテーマにしています。しかも、対象にしているのが第二次ポエニ戦役におけるローマのシラクサ*1攻略です。塩野七生さんのファンであれば、ハンニバル戦記でおなじみの時代*2ですが、それにしてもなんてマニアック。(^^;

ヘウレーカ (ジェッツコミックス)

ヘウレーカ (ジェッツコミックス)

主人公はヒストリエ同様、歴史の表舞台に立とうとしない優秀な軍師タイプです。ヒストリエの主人公のエウメネスはギリシアにおけるスキタイ人という異邦者ですが、ヘウレーカの主人公ダミッポスもまた、スパルタ人で物語の舞台であるシラクサでは微妙に異邦人です。(シラクサもギリシア系の移民なので、完全に異邦人ではありませんが。)そういう意味では、ヘウレーカヒストリエの原型と言える作品かもしれません。

ヘウレーカの紹介に戻ります。舞台は古代ローマ時代のシラクサシラクサアルキメデスが考案した兵器守られており、ローマ軍は攻めあぐねています。本来であれば戦争に関わりようもない架空の主人公であるスパルタ人ダミッポスが、ローマ人でありながらローマに反旗を翻したシラクサに住むクラウディアという女性に恋したために、シラクサ攻略戦にて大きな役割を果たしていくようになります。少し物悲しい*3話です。

歴史ものというと、マニアじゃないとなかなか楽しめない印象があって敷居が高いと考えていましたが、岩明均氏の漫画はなじみやすいようです。久々にいい漫画を読みました。

*1:現シチリア島のこと。

*2:ローマ人の物語の中ではこの巻が最も面白いという人もいる。

*3:そういうところもエウメネスに近いですね。