平凡なエンジニアの独り言 はてなブログ出張所

ピアノをこよなく愛するエセRubyistが適当に書き綴ります

ネット上でコンテンツを広める際に何が問題になっているか整理してみた

「隠す権利」から「広める制度」へ 変化が求められる著作権のあり方では、課徴金という考え方を提唱しているようです。考え方としては、コンテンツ税ですかね。

個人的には、コンテンツ税でも構わないのですが、以下のような問題があり、すぐの適用は難しいように感じています。

  • 集めたお金の分配が難しそうなこと
  • 既存の制度との整合性が取りにくいこと
  • 課徴金の対象をどうするのか悩ましいこと(ネット内に閉じるのか、閉じないのか、媒体のあるコンテンツとないコンテンツはどうするか)
  • こういう制度は業界を腐敗させそうなこと
  • こういうやり方に向いたコンテンツと向かないコンテンツがあること
    • 音楽、文章、映像などコンテンツの種類によってはコンテンツ税をどのように振り分けるか悩ましい
  • 著作の利用に関する検討がなされていないこと

そもそも、何を解決したいのでしたっけ? 忘れないうちに、ネット上でコンテンツを広める際に何が問題になっているか整理してみました。意外と、法律的な問題ではないことに気付きます。

  1. クリエイターに適切にお金を払う仕組みがない
  2. コンテンツが便利なインフラ(ネット)の上で流通していない
    • ネットはインフラとして使いやすい
    • 権利者がネット上に流通させない(課金などの問題が解決していないため)
  3. 著作物を利用して著作を作ることが法律上許されていない

「(1) クリエイターに適切にお金を払う仕組みがない」については、考え方としてはコンテンツ税的なものでも、私はいいと考えています。法律を制定するのは難しいので、ニコニコのようなコンテンツ流通業者がお金を集めて、透明性の高いやり方で再分配するというのでもありだと思います。

ニコニコは動画に限っていますが、それ以外のコンテンツをどのように扱うかは悩ましい限りです。下手をすると、コンテンツの種類ごとにお金を集めて再分配しないと、公平じゃない気もします。

マイクロペイメントのような仕組みが整備されて*1、能動的にお金を支払えるようになると、また選択肢が広がってくるのですが。

「(2) コンテンツが便利なインフラ(ネット)の上で流通していない」は (1) が解決したら、コンテンツはネットに上がってくると思います。ただ、そのためには既存のビジネスモデルよりもネットが魅力的にならなくてはならず、その点については疑問視する人も多いようです。

「(3) 著作物を利用して著作を作ることが法律上許されていない」の問題は、著作人格権を否定するような法律改正はまず考えられませんから、法律的にはどうしようもない問題であることがわかります。お金でも解決できない問題であり、クリエイティブ・コモンズなどで、改変を許可するライセンスを選択するクリエイターが増えることを祈ることしかできません。

(1) と (2) はある意味お金で解決しますが、(3) は解決できません。でも、解決しないと本当の意味で安心してニコニコ動画を楽しめないのですよ。

*1:はてなポイント送信と同じかそれ以上に手軽だといいですね。