平凡なエンジニアの独り言 はてなブログ出張所

ピアノをこよなく愛するエセRubyistが適当に書き綴ります

「「創作のプロであるということ」を読んで」のレスをいただいた

「「創作のプロであるということ」を読んで」のレスをいただきました。ありがとうございます。感謝感激です。id:NaokiTakahashiさんのおっしゃることが間違っているというつもりはなく、むしろとてもいいことを言っているエントリだと思っています。じゃなきゃいちいちブログに書かないですね。

私は IT エンジニアですので、クリエイターの方とは仕事内容は少し違います。(私のような仕事の人をクリエイターと呼ぶ人もいるらしいですが。経産省とか。)少なくともエンタメ系ではありません。それでも、お金については少し似ているかもしれません。それは、「お客からお金をもらった時点では、お客には評価されていない」ということです。お金は物を売ったときに払われますが、それを遊んで、読んでみて、使ってみて初めてお客は評価します。基本的に前払いです。前払いということは、言いようによっては客はものすごく作り手(売り手)を信頼しています。私が言うプロ倫理は、そういうお金のもらい方をしている以上、ベストを尽くしましょうというもので、それ以上でもそれ以下でもありません。

確かに個々の作品や作家の評価で不当に思えるケースはあるのかもしれませんが、それは、例えば次回作が売れなくなるとか、次から評判の悪いパートの人が外されるとかで、ちゃんと市場の論理の中で反映されていくから大丈夫でしょう。

http://d.hatena.ne.jp/NaokiTakahashi/20070812#p3

作り手が一人ならそれでもいいです。でも、次から次へと新しい人は出てくるしタイトルも出てくるわけです。そのたびに、客は前払いをして、場合によっては痛い目を見ます。これは防ぎようはないこと(どんな名作であっても、消費者によっては水が合わないこともある)ですが、少しでもそうならないように努力するのがプロでしょう・・・という程度の意見です。なんか変な誤解を与えていたらごめんなさい。。。

クリエイターという枠組みがあるとして、そういう基本的なコンセンサスを形成することは必要です。できの悪かった作り手一人が消えれば済むという話では、少なくとも消費者にとっては、ありません。

id:NaokiTakahashiさんのおっしゃるプロ意識は大変厳しいもので、プロのラインに達していないとかそういう話をしたわけではありません。また、上述したことは瑣末なことで、私は違和感と表現させていただきました。

で、id:NaokiTakahashiさんのエントリのミソは、「プロ」に変な権威を与えようとしないことです。これは大賛成です。プロフェッショナルとか、そういう議論をすると何か崇高な「+α」的な精神論というかそういうようなものが出てきて、しかも権威が出てきてそれをいろいろなところに押し付けようとします。

仕事をしていると、自己否定の嵐に会うこともあります。不思議とそういうときに「プロ幻想」的な話をすると、肯定されているような気分になって楽になります。非常に甘美な響きです。

でも、プロとは・・・

プロでやってくってことは、そういう単なる無味乾燥な事実を突きつけられる世界で生きるってことだ。

http://d.hatena.ne.jp/NaokiTakahashi/20070812#p2

ということですね。甘さには浸ってられないのです。権威が介入してくることより、クリエイターが権威に寄りかかるようになったらそれこそ最悪ですね。私もプロとして相応に厳しくありたいものです。