平凡なエンジニアの独り言 はてなブログ出張所

ピアノをこよなく愛するエセRubyistが適当に書き綴ります

たとえ、コピペでもパブリックコメントを出す意味はある

私は「私的録音録画小委員会中間整理」に関するパブリックコメントは、たとえコピペであっても出す意味はあると考えています。

彼らは意見募集要領(PDF)の中の、「なお、個別の論点に係る賛否の数を問うものではありませんので、その旨ご承知おきください」という一文を読まなかったのでしょうか。

http://fukudablog.blog6.fc2.com/blog-entry-63.html

亀レスでなんかかっこ悪いのですが(^^;、反応します。

総じて言えば「意味のあるパブコメを出さないと意味ありませんよ」ということだと思うので、上記エントリは正しいと思います*1。長い目で見れば、私も含めてもっともっと勉強してしっかりとした意見を言えるようにならなくてはなりません。しかし、その上でたとえコピペであってもパブコメを出す方がいい理由を説明します。

パブコメをたくさん出す元になったのは以下の記事だと思います。

過去に、CD輸入権の問題で法改正があった時、権利者側が大量に社員や関係者に対してパブコメの“動員”をかけたということがありました。あのときは輸入権だけでなく、書籍の貸与権に関する法改正もあったのでマンガを出している出版社も社員に対して『「今回の法改正案は賛成です」というパブコメを出しなさい』というメールが回っていましたね。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0710/12/news014.html

「やれることは何でもやる」というのが基本だと思います。権利者側*2がそれを体現してきたわけです。著作権問題は絶対的に正しい何かがあるわけではなく、さまざまな勢力の「均衡点」を見つけることで、決められるところが多いので、時にはこういう手に訴えるのも必要だと思います。電凸も、相手によっては「アリ」でしょう。

でも、中間報告書はちゃんと読んで欲しいです。私でさえ目を通した上で出しています。

たしかに、理想形は MiAU が意見集約をして××委員会で発言すれば、委員会の議論の方向性に影響を与えられるという形でしょう。しかし、MiAU は急造の団体というか、そもそもパブコメ募集時まで存在しませんでした。あと何年かすれば MiAU もそれなりの影響力を持てると思います。でも、今は存在しないも同然の組織です。理想形を実行できない以上、現実の中で可能な行動をとるのは当然のことです。

とはいえ、違法コンテンツのダウンロード違法化については、ネットユーザが行動を起こすには、すでに遅きに失したというのも事実です。パブリックコメントを出す直接的な意味があるとすれば、「ネットユーザは本案件について強い興味を持っている」という意思表示をすることくらいでしょうか。

そういう意味で、パブコメ期間中の MiAU の活動の成果は、「裾野を広げた」ことです。パブリックコメントを出した人は、これまでよりは著作権法改正関連の話題に興味を持つでしょう。私はパブリックコメントという言葉さえ知らなかったユーザが多いのではないかと思っています*3。パブリックの意識が弱いと言われるネットユーザーにおいて、そういうものを考えさせるいい機会になったのではないかと思います。

なんてつらつら書いていたら、Kazu'Sの戯言Blog(新館) 効果がある可能性は十分あるでしょうにて適切なエントリが書かれていますね。こちらの方が短くて論旨が明快でわかりやすいですね。

あ、以下ついで。

ダウンロード違法化だけではなく、著作権の非親告罪化と保護期間延長という「本命」があります。この問題については、方々で指摘されているとおりパブコメの大量投函のような野蛮な方法「だけ」ではなく、「青空文庫の署名活動」なども活用するほうがいい*4でしょう。

*1:ネットユーザーのリテラシーは・・・という論調はいただけませんが。

*2:誤解を招きそうな表現だ。。。

*3:私も親が役所に勤めていなかったら知らなかったと思います。それに、こういう文書をしっかりと読んだのは初めてです。

*4:青空文庫の主張などを調べていないので、まだ出すかどうかは決めていません。