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平凡なエンジニアの独り言 はてなブログ出張所

ピアノをこよなく愛するエセRubyistが適当に書き綴ります

アニメに関しては現状維持は得策ではない

アニオタがあまりにも滑稽を読んで、「建設的な意見をしてくれ」と強く感じました。個別には正論なんだけど、何の問題も解決しません。「今までのやり方で OK。何も変える必要がなかったのに、アニオタと YouTube とニコニコのおかげでダメになった」という主張ですかね。増田にマジレスはかっこ悪いけれど、マジレスします。

マジレスする前に、問題を整理しましょう。とりあえず 3 点挙げます。

  • (1) 違法動画がネット上に違法に上がっているのは怪しからん
  • (2) アニメータが貧乏なのは怪しからん
  • (3) ニコニコが安心して楽しめないのは怪しからん

(1) については、ニコニコユーザ側ではコンセンサスが取れてきていると思います。違法動画は論外。解決方法は、権利者に利益がいく形にして、ネット上にはコンテンツを残してほしいというものです。ただし、権利者への利益の分配方法が、お金を払う人と払わない人とで割れています。お金を払う人は、定額制と従量制に分かれていますが、総じて DVD を買うよりは安価指向です。お金を払わない人は、ニコニコ市場などの広告効果の話をしています。(まぁ、個人的にはお金を払わないのは論外。)

いずれの解決策でも、利益があるからと言ってアップロードしたくない権利者もいるという発言も聞こえてきそうです。が、この種の問題は、著作物のコントロールと著作物の利用の利便性の問題で、音楽と同様、後者を優先することで公益性を確保するでかまわないと私は思います。一番いいのは、動画にも JASRAC のようなものを作ることでしょうか。加入しない「製作*1」からは買わなければいいのです。ただ、腐敗すると困るんだよなぁ・・・。

(2) については、貧しさの現状などで報告されています。アニメ産業構造の問題を指摘する人もいます。アニメータが通常のサラリーマンの 1/3 の年収で働いているのに、製作サイドは黒字が出ています。

(3) は (1) 次第でしょう。

さて、マジレスを開始します。

でも、現実は違う。彼らは単にビジネスを行っているだけ。
どんなビジネスでも上流行程を行うものが下流行程を行うものより多くの利益を得る。
ただ絵を描くだけのアニメーターより、アニメの監督が多くの利益を得る。
アニメを作るより、アニメを作るための資金を調達したものが多くの利益を得る。
当然のことだ。それがビジネス。

http://anond.hatelabo.jp/20071031232621

一番の上流はどこか知っていますか? それはアニメファンです。上流というか源流だな。アニメファンはお金を払う相手をちゃんと選びたいのです。そこを分かっていますか?

私はアニメはほとんど見ない(ここ 10 年で見たのはグレンラガントライガンのみ)のですが、コンテンツ業界にはそこそこ金を落としています。漫画は年 10 万、音楽と本(雑学、歴史小説など)などで 10 万と合計 20 万くらいです。(もっと多いかも。あと、仕事に使う専門書は入れてませんよ。)アニオタの方々はもっと使うかもしれないけど、普通のアニメファンなら、アニメに使うのはやはり同じくらいの出費になるのではないでしょうか?

私の感覚では、これくらいの出費は日々楽しく生活するためには必要なもので、払うのに惜しいと思ったことはありません。漫画の場合、5%(でしたっけ?)が漫画家に印税として行くことが分かっているので、買うことにあまり躊躇しません。しかし、アニメの場合、産業構造の問題でいくら行くのか、よくわかりません。以下の記事を参照してください。

だからと言って、アニメの商品をいくら買ってもムダです。
前にも書きましたが、
著作権は企業が全て奪い取っているので、アニメ商品をいくら買っても
アニメーターには1円たりとも入ってきません。

http://www6.ocn.ne.jp/~pancake/ani02.html

上記記事のような事情もあり、私は制作者にお金を払う方法が必要だと痛感しています。もちろん、これまではアニメにはお金がかかるので、出資者を募って規模の大きな興行にしなくてはならなかった事情があり、上流の力が重要でした。そう、上流はよくやっていたのです。出資者として頑張ってきた広告代理店も、ほめるべきでけなす対象ではありません。

しかし、別の記事ですが、以下のような話もあります。

とは言え、もう、どうしようもない所に来ている。

 TVの30分枠絵コンテをちゃんとした内容に仕上げるには、最速で3週間かかる。
 手元に残る対価は22〜23万円程度である。
 一週間で70000円の収入。
 一ヶ月で28万円。
 年収で336万円。
 一年間無休!での計算で、これが働き盛りの収入の全てである。

http://www.janica.jp/teian07.html

上記のような状況が続くのなら、「もっと効率のいい上流を考える必要がある」ことは明白です。ニコニコ動画によって、動画を視聴者に届ける「送料」はゼロに近づいてきました。もうひとつ、お金を支払う仕組みさえあれば、何かが変わるかもしれません。だからこそ、いま議論が白熱しているのです。(もちろん、効果的な結論が出てきていないことも、議論が白熱する要因でしょう。)

たぶん、冒頭の増田は、「今までのやり方で OK。何も変える必要がなかったのに、アニオタと YouTube とニコニコのおかげでダメになった」という主張をしたいのでしょうが、私は考えが違って、「今までのやり方は残してもかまわないけど、新しいやり方も欲しい」と考えています。じゃないと、アニメータが干上がってしまいます。上流は、アニメ産業がなくなったらほかに行くだけでしょうが。

客だってなー、金払う相手くらい選びたいんだよ!

*1:出資・企画などを含めて「製作」と呼ぶ。アニメを作るのは「制作」。